戸田建設:使途秘匿の裏金5500万円…国税局税務調査

 準大手ゼネコン「戸田建設」(東京都中央区)が東京国税局の税務調査を受け、民間病院建設を巡る地元対策費など裏金約5500万円について、支出先や支払い理由を明らかにしない「使途秘匿金」として税務申告していたことが分かった。経理ミスを含めた申告漏れ総額は2014年3月期までの2年間で3億数千万円に上るとみられ、裏金を工面する際の経理操作など一部については仮装・隠蔽(いんぺい)を伴う悪質な所得隠しと認定された模様だ。

 関係者によると、同社は13年に関西地方の病院建設工事を受注する際、下請け業者に工事代金を水増しして支払う約束をした上で資金提供を受けたとみられる。このうち約5500万円については、工事受注のあっせん手数料や地元対策費に充てた模様だが、同社は支出先を明らかにせず、支出額の40%を追加課税されたという。

 戸田建設広報・CSR部は取材に「調査委員会を設置し事実関係などの調査をしたが、委員の弁護士から法令に抵触しないとの見解が示された。税務についても税法の規定に従い処理している」としている。

 

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