鹿沼市、新庁舎建設延期へ 工事費高騰、面積縮小しても上限超え

 鹿沼市今宮町の現庁舎敷地に新庁舎整備を計画している同市は23日、資材などの建設工事費高騰に伴う財政負担増のリスクを踏まえ、2020年度供用開始を目指していた新庁舎の建設を先送りする方針を固めた。
 同日の同市議会全員協議会で、本年度予定していた基本設計策定などの延期を盛り込んだ基本計画案を提示、説明するとともに、定例記者会見で佐藤信市長が「建設工事費は高騰しており、今後も高止まりの傾向。先送りが現実的で、延期が最善と考えている」との考えを明らかにした。
 同市は、24日から5月19日まで基本計画案のパブリックコメント(意見公募)を行った上、正式決定する。
 基本構想案では床面積約1万5千平方メートル、事業規模上限約60億円、16年度実施設計、17年度着工、完了目標時期は合併特例債の使用期限である20年度が最善としていた。しかし震災復興や東京五輪などによる建設需要の高まりもあり、資材、人件費を含めた建設工事費は高騰。
 このため鹿沼市は、建設面積の縮小も視野に再検討を余儀なくされ、今回、市議や市民らで構成する「新庁舎整備基本計画策定推進会議」の意見も参考に、基本計画案を作成。床面積を1万2千平方メートルと当初より2割削減した。同市によると、床面積を縮小しても現時点での概算総事業費は約80億円に上るという。

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