東北工大とNTTファシリティーズ、地盤沈下防ぐ新工法

 東北工業大学仙台市)とNTTファシリティーズは、海沿いの埋め立て地など地盤が弱い場所でも地震による沈下を防ぐ基礎工法を開発した。建物の地下にセメントで壁のような基礎を築き、耐震性を高める。東日本大震災被災した沿岸部の水産加工団地などの建設に有効としている。
 「壁状基礎工法」は東北工業大の今西肇教授とNTTファシリティーズ東北支店が共同開発した。専用の機械を使い、地下の浅い部分から深い部分まで土壌をかき混ぜながらセメントを流し込む。
 建物の地下に強度が均一で壁のような基礎を作ることで、耐震性を高めて地盤沈下を防ぐ。
 セメントでくいを作る一般的な工法の場合、垂直方向に土壌をかき混ぜにくく、くいの強度が均一でなかった。新工法はコストや工期は大きく変わらず、高い耐震効果を得られるという。
 このほど塩釜水産加工業協同組合宮城県塩釜市)の加工場で基礎工事を実施した。加工場がある新浜地区は、沿岸部の埋め立て地で地盤改良がなされていなかった。新工法は水産加工団地のほか、地盤の弱い場所に工場などを建てる際にも有効だとしている。

東北工大とNTTファシリティーズ、地盤沈下防ぐ新工法 :日本経済新聞