中国湖南省の建設会社 19日間で57階建てビル建設に不安視も

 中国湖南省省都長沙市で57階建てのオフィス兼マンションビルを19日間で完成させる建設工事が大きな話題を呼んでいる。工事を請け負った建設会社は「工事自体の期間は19日間だが、ビルの主要部分の半完成品を造るなどの工程に1~2年をかけ、工事開始前に95%が完成した状態にする。国家基準も満たしており、全く問題ない」としている。
 しかし、ネット上では「おから工事か」とか「心情的に不安だ。事故が起きたら責任をとれるのか」「本当に大丈夫か」など不安視する声が多く出ている。国営新華社電が伝えた。
 この建設会社は長沙市に拠点を置く湖南遠大可建公司で、このビルは長沙市内に建設されており、高さ200mあまり、総建築面積は18万平方m。1日で3階ずつ建設する計算だ。
 ビル内には総計3.6kmの歩行路と10mの高さをもつ宴会兼会議用のホールが19室、さらに4000人が入るオフィス階及び800戸のマンションスペースも備えている。すでに、主要部分は完成しており、現在は内装工事を行なっている。
 同社ではこのような「即席建設工事工法」を6年前の2009年から始めており、すでに10数棟のビルを完成させている。このなかには2011年に、15日間で完成させた30階建てで延べ床面積1万7000平方mの湖南湘陰ホテルも含まれている。また、同社では2010年の上海万博の際、会場内に、たったの1日で6階建てのビルを建設した実績もあるという。
 深セン市内で有数の深セン国際貿易センタービルも1日で3階ずつ建設する即席建設工事工法で建てられており、同社では「全く問題はない」と断言するものの、同社が57階建てのビルを建設するのは今回が初めてだという。
 同社広報によると、19日間というのは工事開始からの日数ではなくて、実質的な工事日数で、雨や台風で工事を中止した日数は含んでいないという。
 湖南大学建築学院の柳粛教授は新華社の取材に対して、「都市建設の規格や建設などが中国政府の定めて基準をクリアしており、安全面からいっても、今回のビル建設は問題がない」と答えている。
 しかし、万が一にもミスがないとはいえないだけに、ネット上では不安視する声が多いのも事実だ。それが杞憂となるかどうかは、もう少し時間が必要だといえそうだ。

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