工事現場を女性がチェック つるぎの建設会社、脱3Kへ取り組み

 女性従業員が工事現場を巡回し、職場環境の改善や安全対策について指摘する「なでしこパトロール」が、つるぎ町半田の建設会社井上組で導入され、注目を集めている。女性の視点で、工事現場をはじめ休憩室やトイレなどを細かくチェックし、3K(きつい、汚い、危険)職場と呼ばれる建設業界のイメージ脱却を目指している。女性の働きやすい職場づくりにもつながり、導入する同業者も出てきた。 
 なでしこパトロールでは、井上組の女性従業員5人のうち2、3人が毎月3回ほど、周辺住民への気配りや通路の安全確保、作業員の服装など10項目を点検し、項目別に5段階評価とコメントを専用シートに記入している。 
 井上組は2012年4月、技術職で初めて女性を採用した折、周りが男性ばかりの職場でも女性が畏縮せずに意見を言えるように、独自に制度を設けた。
  現場監督がシートを受け取り、環境改善を図る。「安全啓発看板をもっと見やすく」「仮設トイレの芳香剤を切らさないように」などの指摘があり、即座に改善に結び付いた。 
 なでしこパトロールに携わる安達登志子さん(32)は「事故をなくし、職場環境を良くするため、もっと的確な指摘ができるよう頑張りたい」と意気込んでいる。 
 取り組みを知り、同業の福井組(鳴門市)も今年2月、なでしこパトロールを導入。松茂町の旧吉野川堤防耐震化工事で、女性従業員が井上組の安達さんらと一緒に現場を見て回った。珍しい取り組みに関心を持った国交省徳島河川国道事務所(徳島市)の女性職員も視察に訪れた。 
 井上組の井上惣介社長(40)は「なでしこパトロールで新たな改善点が見つかり、現場の活気につながっている。意欲ある女性が働きやすい職場にするため、引き続き力を入れたい」と話している。

工事現場を女性がチェック つるぎの建設会社、脱3Kへ取り組み【徳島ニュース】- 徳島新聞