営繕工事積算手引を公開/自治体に周知、適正化促す/国交省

 国土交通省は、建築工事の積算数量の拾い忘れや違算を防止するために活用している「営繕工事積算チェックマニュアル」を6日からホームページで公開した。国交省が外注する積算業務の受託者は、従来からマニュアルに沿った数量算出を行っているが、積極的に公開して地方自治体にも広めることで、設計図書に基づく適正な積算の実施に役立ててもらう。
 チェックマニュアルは建築工事、電気設備工事、機械設備工事の3編で構成。それぞれ新営工事、改修工事用に分かれている。
 図面から数量を拾う際には「数量算出チェックリスト」を活用。例えば躯体工事の鉄筋であれば、所要数量を求めるときに割増率を確認したか、フックの必要な部位を確認したかなど、留意すべき項目が列挙されている。算出した数量自体をチェックする次の段階には、同様に留意事項が記載されている「積算数量調書チェックリスト」を使う。
 建築工事については、過去の経験や実績から目安となる数量を参考値として示し、現在積算中の案件と比較確認できる「数量チェックシート」も用意した。RC造の事務所庁舎であれば、コンクリート総量は延べ床面積に0.8-1.0を掛けた数値の範囲に収まる傾向があり、これと大きくかけ離れている場合は違算の可能性があるなど、気づきを与える1つのきっかけとなる。ただし、これはあくまでも目安で、範囲外だからといって単純に不適切とはいえず、それぞれの物件ごとに確認する必要がある。
 国交省では今後、全国営繕主管課長会議や自治体向け研修の場などを通じ、マニュアルの周知、活用を促していく考えだ。

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