省エネ補助金を不正受給 建設会社など11業者、工事費水増し
省エネにつながる住宅やビルの改修工事費用を補助する国土交通省の事業で、工事を請け負った建設会社など11事業者が工事費を実際よりも高く偽って申請し、補助金計約9千万円を不正に受給していたことが15日、会計検査院の調べで分かった。事業者側に領収書の写しなどの提出義務がなく、国交省は水増し請求の実態を把握できていなかったという。
検査院は国交省に、提出書類の見直しなど不正請求を排除する審査体制の整備などを求めた。
国交省は、省エネ改修事業として2011年度から、地球温暖化対策になる既存建物の断熱窓の設置やエアコンの更新などにかかる費用の3分の1を補助している。事業の事務作業は都市再生機構グループの「URリンケージ」に委託し、実績の報告を受けている。
検査院は、12~13年度に事業の補助金を受けた14都府県の67事業者の74件を抽出調査したところ、大阪など1府5県の11事業者が13件の改修工事で工事費を水増し請求し、補助金計8992万円を過大に受け取っていたことが判明した。
補助金の交付規定では、事業者側に領収書の写しなどの提出義務がない。国交省やURリンケージは、工事費は補助金申請時の見積書を審査するだけで、実際にかかった費用などについて帳簿などの書類のチェックもしていなかった。