まず県道赤石岳公園線を改良 JR東海がリニア建設工事日程案

 JR東海は五日、大鹿村でのリニア中央新幹線建設関連工事について、今春の県道赤石岳公園線改良を皮切りに、リニアの南アルプストンネル、県道松川インター大鹿線拡幅、同トンネルの順に着手したい意向を示した。工事説明会に先立つ村民説明会は、三~四月を想定。当初計画案より遅れている。

 村役場であった村リニア対策委員会で、JRが現時点でのスケジュール案を出した。これらの工事説明会は新年度前半を予定し、工事着手は春ごろ赤石岳公園線、夏ごろ南アトンネルと松川インター大鹿線拡幅、秋ごろ同トンネルと続く。

 現在、赤石岳公園線は拡幅の具体的な設計段階で、南アトンネルは契約手続き中。松川インター大鹿線の拡幅は設計について県と協議し、JRと県で負担する同トンネル二カ所は、二月の県議会での承認に向けて準備が進められている。

 対策委では生活への影響を考慮し、松川インター大鹿線の追加改良を求めており、反映されないことに不満の声も出た。JRは現状の計画で進め、状況に応じて車両の運行管理や工事を検討すると理解を求め、県は今後の協議事項とした。

 架空と地中化が議論されている送電線については、中部電力が現地調査を経て、架空ルート案を提示。地中化の場合は地滑りや水枯れが懸念され、工期や費用も膨らむと説明し、あらためて「架空送電線がふさわしいと考える」と述べた。

 検討していた住民アンケートについては、実施しない方向で集約した。

まず県道赤石岳公園線を改良 JR東海がリニア建設工事日程案:長野:中日新聞(CHUNICHI Web)