住友不動産が木造新工法 耐震5倍超で他社と差別化

 住友不動産が、一般的な在来工法と比べ5倍以上の強度を備えた「高倍率耐力壁」を新開発し、11月以降受注する木造注文住宅で使用することが29日、わかった。耐震性能は「業界最高クラス」(同社)といい、災害への強さと合わせ、高い設計自由度を打ち出すことで他社との差別化を図る。

 開発したのは、在来工法用の「パワーパネル」で、従来は9ミリだった合板の厚みを24ミリに増し、土台やはりなどに組み付けるビスの強度も高めた。この組み合わせにより、耐震強度を示す指標「壁倍率」は住宅内周に使う場合で一般的な在来工法の5.5倍、外周で6.7倍に向上し、同社の従来工法と比べても倍増している。

 パワーパネルの採用により、従来工法では難しかった「耐震等級3」の3階建て住宅が建設可能となるほか、壁面に最大5.6メートル幅の開口部を設けることもできる。

 また、少ない耐力壁でも強度が確保できるようになることで、都市部の狭小住宅などでも開放的なレイアウトをとれるようになる。

 同社の注文住宅は長年、木造2×4(ツーバイフォー)工法をメーンとしてきたが、昨年からは在来工法も新たに手掛けている。

 2014年度の受注実績は合わせて2455棟。新開発の工法を前面に打ち出すことで、目標とする年間受注3000戸の達成を目指す考えだ。

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