自動運転?「ルンバ」が走るイマドキの建設現場

 超高層ビルの建設現場を“ルンバ”が走っていた。いや、違う。これはロボット掃除機ではなく、ロボット建設資材運搬機だ。

 現場の作業員が許可ボタンを押すと、資材置き場に積まれた資材の下にすっと潜り込み、自ら資材を荷台に積む。自動で貨物用のエレベーターに乗り込み、超高層ビルで作業が進むフロアに資材を運ぶ。運び終わったらエレベーターに乗り込み、また資材置き場に自動で戻ってくる。

 大林組が都内の超高層ビルで、自社開発した自動運搬システムの試験運転を始めた。

 自動車業界で話題を集める自動運転技術。トヨタ自動車日産自動車が相次いで自動運転車の試乗会を開くなど、2020年の実用化を目指して技術開発が進んでいる。

 自動運搬システムは、クルマの自動運転のようにセンサーなどによって周囲の状況を把握し、ぶつからないように走るというほど大掛かりなものではない。建設現場の地面に磁気テープを貼り、そのテープを認識して走るロボットだ。

 決められた場所だけに資材や部材を運ぶロボットは、製造業の工場では一般的に使われている。しかし、建設現場は工場と違い、資材の位置や現場の状況が日ごとに変わるので、採用が進んでいない。このシステムは、磁気テープをガムテープのようにすぐに貼ったりはがしたりできるので、状況が変化しても柔軟な対応が可能だ。

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