ICT建機利用のモデル工事を導入-石川県

石川県は、経験の浅い作業員でも操作できる「情報通信技術(ICT)搭載型」の建設機械の普及に向け、大手建機メーカー「コマツ」と協定を結んだ。建設業界で深刻化する人手不足の解消が狙い。同社製のICT建機のリースを条件とした県発注の工事を、モデル的に導入。実績づくりを進め、「国や全国(の自治体)に提案したい」(谷本正憲知事)考えだ。
 監理課技術管理室によると、県発注の工事はブルドーザーとショベルカーを併用するものが中心で、操作には熟練した技術が求められる。これに対しICT建機は、設計情報や作業箇所の位置や高さなどを事前に入力すれば、若手や女性でも簡単に操作できるため、工事の正確性や安全性が向上し、工期の短縮にもつながる。
 コマツが、2014年にICT搭載型の油圧ショベルカーを世界で初めて開発したことや、本社機能の一部を同県小松市に移転したことが契機となり、「建設事業における情報化施工に関する協定」を締結する運びとなった。
 同社には、今回の協定を「全国に先駆けるモデルとしたい」(大橋徹二社長)との思いがある。加えてICT建機をPRしたり、能力を実証したりする機会が得られるといった利点もあるという。 

時事ドットコム:〔ふるさと短信〕ICT建機利用のモデル工事を導入−石川県