「新東名の起点」建設に遅れ

 中日本高速道路株式会社は現在、市内門沢橋で建設工事が進められている新東名「海老名南ジャンクション」から「厚木南インターチェンジ」の区間について、当初予定していた2016年度中の完成が厳しくなったと発表した。用地の取得に時間を要した事などが理由とされており、一部報道によれば、今後は2017年度を目途に再度、調整していくものとみられている。

 今回、工事進捗の遅れが発表されたのは、新東名の起点となる同ジャンクションから、最初の出入り口となる「厚木南インターチェンジ」までの全長1・5Km区間。このエリアを所管とする中日本高速道路株式会社東京支社・厚木工事事務所(【電話】046・223・8721)の話によれば、厚木側の用地取得に際し、移転先の確保などに想定以上の時間を要したという。さらに元々、この区間は軟弱な地盤が多く、こうした対策等にも手間取ったため、と説明している。

渋滞緩和の切り札に

 2012年に御殿場から三ヶ日間の162Kmが開通するなど、既に一部で供用が始まっている「新東名」。

 海老名側からの工事進捗については「東名・綾瀬バス停付近」や「圏央道・海老名ジャンクション付近」などといった、休日を中心にドライバーのストレスとなっている”慢性的な渋滞緩和の切り札”として各方面でも期待が高まっている。

伊勢原、御殿場へ

 厚木工事事務所の資料などによれば、海老名南ジャンクションを起点に新東名を御殿場方面に向かう場合、伊勢原市にある東海大学付属病院の北側に完成する「伊勢原ジャンクション」で東名高速道路(現・東名)と合流(2018年度完成予定)。そのまま新東名は現東名の北側、秦野市内の山間部を縫うように建設が進められており、最終的には2020年度に「御殿場ジャンクション」と接続する計画となっている。

遅延の影響は?

 大規模な幹線道路の開発に際し、起点区間の工期に遅れが生じた事について関係者は「計画は区間ごとにスケジュールが組まれているので(今回の発表が)新東名全体の工事に影響することはない」と強調。「できるだけ早期の開通を目指し、安全に工事を進めていきたい」などと話している。

 新東名の建設工事概要や進捗状況は中日本高速道路株式会社のホームページで適宜確認できるほか、詳しい事業のあらましなどが記載されたパンフレット等を厚木工事事務所などで入手する事もできるという。