大成建設、高層ビル上層解体に新工法-落としぶた式など実用化、工期短縮・コスト削減

 大成建設は高層ビルの最上階の屋根部分をフタとして活用して粉じんの飛散や騒音を防ぎ、上層部から解体する工法「テコレップシステム」を拡充した。建物の複数の柱の頭頂部からワイヤで屋根部分をつるし解体と下降を繰り返す工法と、専用足場を組まずに屋根部分を”落としぶた“のように下降させる工法を実用化した。
 新工法は建物の複数の柱にジャッキを取り付け、柱の頭頂部からワイヤで屋根部分をつるして下降。解体作業中は屋根部分を短く切ったはりで受ける。従来工法はジャッキを内蔵した解体用の仮設柱を用意し、同柱で屋根部分を支えて解体と下降を繰り返した。高さ100メートル以上の建築物での適用を想定する。
 新工法は屋根部分を下降させる際に、既存の建物の柱を生かすのがポイント。従来工法は仮設柱の設置など解体準備に1―2カ月かかったが、新工法はジャッキ設置が2日ですむ。ジャッキの重さも20トンから5トンと軽くなり、ジャッキをつり上げる大型重機が不要。
 ”落としぶた“方式は新工法の派生型で高さ60―80メートルの建物で適用する。既存の建物の柱を生かして屋根部分をジャッキで下降させる点は同じだが、屋根部分の専用足場を組まず地面から足場を組んで建物を囲い、粉じんの飛散や騒音などを防ぐ。

大成建設、高層ビル上層解体に新工法−落としぶた式など実用化、工期短縮・コスト削減:日刊工業新聞