大和ハウス、軟弱地盤補強で新工法「ディーテックパイル2」開発-15%以上コスト減

 大和ハウス工業は、住宅向けに従来よりも低コストの軟弱地盤補強工法「ディーテックパイル2」を開発した。鋼管の杭(くい)打ちが必要になるような厚い軟弱地盤の土地で、15%以上のコストダウンが期待できる。鋼管の地中先端部についている円形の翼部分を大きくし鋼管杭1本当たりの支持力を高めた。
鋼管径が同じ場合、新工法の翼部分(左)と従来工法
 杭径101・6ミリメートルの場合で先端翼の径を従来の250ミリメートルから350ミリメートルにするなど、全サイズで100ミリメートル拡大した。これにより、従来と比べ杭径を1―2回り小さくしても、同等の支持力を得られる。地層の状態によっては従来より浅い層に固定でき、杭長を短くできる場合もある。
 翼部分を含む鋼管先端部は、鋳鋼一体で成型。翼は外縁部に向かって肉厚を薄くするなど最適設計で軽量化、加えて従来よりも強度の高い鋼材を採用した。中国の協力会社で鋳造し、国内工場で鋼管杭本体と接合。グループの大和ランテックを通じて現場に供給する。
 新工法は建築面積500平方メートル以下の建物に適用。一戸建て住宅や共同住宅、小型商業施設などで建屋着工前の地盤補強に、年3万―4万本の鋼管杭を出荷する見通し。

大和ハウス、軟弱地盤補強で新工法「ディーテックパイル2」開発−15%以上コスト減:日刊工業新聞