NEXCO西日本、新名神八幡JCT~城陽JCT間建設現場見学会を開催

 NEXCO西日本西日本高速道路)は5月26日、建設工事が進む新名神高速道路の八幡JCT(ジャンクション)~城陽JCT間の工事進捗状況を報道陣に公開した。

 新名神は新東名高速道路と合わせて名神・東名と並行するように建設中で、一部はすでに供用が始まっている。双方でいわゆるダブルネットワークを構築する形になり、震災などの大規模災害や大型連休の混雑渋滞に対応が期待できる。特に震災時は、物流をクシ形に構築することが効果的なことが先の東日本大震災で体験済みで、物流のリダンダンシ(冗長化)が図れることになる。新名神の総延長は174km。2023年度に全体の供用開始を目指している。

 その新名神のなかで、現在全面的に工事展開中になっている、第二京阪国道1号と交わる八幡(やはた)JCTから、高架が続く京田辺高架橋、木津(きづ)川を渡る木津川橋、京奈道路や国道24号と交わる城陽(じょうよう)JCTの約3.5km区間が今回の見学が行なわれた区間。なお、すべてのジャンクション名は現時点ではまだ仮称の段階。正式名称は追って発表される。
八幡JCTは、第二京阪国道1号をまたぐ2本の橋が架設されていて、その1本のAランプ2号橋上から見学した。まだ路面はコンクリートむき出しの状態。これらの幹線道路をまたぐ橋は、鋼桁の状態で現地に持ってきて夜間に回転移動、ジャッキアップして第二京阪国道1号をまたがせて敷設している。
 続いての京田辺高架橋は、全長1590mと長く高架が続く箇所。こちらは、大型移動支保工と呼ばれる特殊な工法を使った方法にて架設されている。

 一般的には固定支保工と呼ばれる地面から足場を組んだ作業をするのだが、大型移動支保工は大型の上屋設備を橋部分に組み、ガーダーと呼ぶ横に長いクレーンの付いた鉄骨柱を延ばしながら工事を進めていく。1橋脚間分のコンクリートを打設する型枠や支保工の大部分を組み立てた状態のまま、次の橋脚間に移動できるという工法だ。工事が進むにつれてガーダーと上屋設備が移動していく。これにより工期短縮や天候に左右されないなどのメリットがあるそうだ。
 木津川を渡る木津川橋は、城陽JCTに隣接している。城陽JCT側から順にP1~12の橋脚から構成されている。見学したのは木津川の土手上からで、写真で一番手前に見えるのはP2の橋脚となる。

 瀬替工法と呼ぶ、川の流れを部分的に変更する工法を使っているのが特徴だ。10月中旬から翌年6月中旬の間で川の水位が低い時期に集中的に工事を進める。
 城陽JCTは、京奈道路(京奈和自動車道)と国道24号と接続する。京奈道路と国道24号が繋がっていたJCT部から、城陽JCTで使う用地部分を確保して滞りなく移設し、出入口を切り替えるという難しい工事を段階的に行なっている。

 今回紹介した八幡JCTから城陽JCT間は、工事着手はすでに100%になっていて2016年度の完成を目指している。

 八幡JCTより西側の八幡JCTから高槻JCT間は、用地取得率が10%(すべて2015年度4月実績)で、2033年度完成予定としているが、さらに西側の高槻JCTから神戸JCT間はトンネルが多く、用地取得率は99%で工事着手は100%。協定では2018年度度完成予定だが、前倒しにして、八幡JCT城陽JCT間と同じ2016年度完成を予定している。新名神は、この2016年度の開通で大きく進化することと思われる。