新国立白紙で損失62億円 首相が陳謝

 参院予算委員会は十日、二〇二〇年東京五輪パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)建設計画を白紙撤回した問題などについて集中審議を行った。安倍晋三首相は、白紙撤回に伴う約六十二億円の損失について「結果的に貴重な公的資金を使用したことは国民に申し訳ない」と陳謝した。 
 下村博文文部科学相は、設計やデザイン監修料などとして五十八億三千五百万円、監理業務などとして三億七千万円が、支払い済みまたは今後支払う必要があると説明。首相は「白紙撤回前に締結した契約による支出は、その当時は適正だった」と釈明した。
 首相は、日本スポーツ振興センター(JSC)本部ビルの移転新築について「国民負担ができる限り低減するように検討したい」との考えも示した。
 JSCの旧本部ビルは、新競技場の建設計画に伴って取り壊されている。JSCなどは地上十六階、地下二階建ての新ビルを建設して、同じく取り壊される日本青年館とともに入居する計画。下村氏は、JSCが新ビルで三フロア分を使う予定と話す一方、新ビル建設計画を縮小する可能性も示した。

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