作業服、派手な蛍光色に 繊維各社が新素材開発に注力

 東レ帝人など大手繊維メーカーが、最新技術で派手な蛍光色に染めた作業服用の生地に力を入れている。2020年の東京五輪パラリンピックに向けて工事が増えれば、作業服の需要も伸びるとにらんでいるからだ。
 帝人は今月、作業服向け生地の専用ブランド「テクシャス」を立ち上げた。オレンジ色など派手な色合いとともに、独自技術で内側に熱気がこもらず、外からの熱は遮るよう工夫した。
 東レも昨秋、作業服の専用ブランド「ブリアンスター」を立ち上げた。Tシャツやズボンなど約20種類をそろえる。17年度には14年度の10倍にあたる20万着前後を売る計画。クラボウは13年から、燃えにくい繊維を独自技術で蛍光色に染めた生地を売り始めた。シキボウも昨年から展開する。
 工事現場などでの作業員と車の事故は毎年1千件ほど起きているとされ、現場で働く人の身を守るため、蛍光色の作業服は欠かせない。日本工業規格(JIS)は今夏にも色の明るさや反射率などの基準をつくる見通しで、繊維メーカーは売り込むチャンスになるとみている。

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