県産材で新工法 木造軸組み+ツーバイフォー

 大分県内の木材建築関連事業者が連携して、在来軸組み工法とツーバイフォー(壁組み工法)の長所を生かした新工法の普及態勢を整えた。施工が容易で工期が短縮できるため、熟練職人が不足する業界の課題解決が期待できるとして県も支援する。新工法は県産材の使用比率が高く、外国産材のシェアを奪う狙いもある。

 木の柱や梁(はり)を見せることができ、将来間取りの変更が可能な在来工法と、パネルを組み合わせて造り、施工が容易で耐震性や断熱性に優れるツーバイフォーを融合させた「木造軸組み大型パネル」を使う。2日に大分市で同工法の1棟目が着工。午前8時に上棟を始め、夕方には構造本体の作業をほぼ終え玄関扉まで取り付けた。
 原木を製材する佐伯広域森林組合佐伯市)と、製材品の仕口加工をする玉井木材センター(大分市)が連携し、県産材のパネルを製造する。
 窓や断熱材もパネルに組み込み、建築現場での工期を3カ月ほどに抑えた。県は設備投資の支援で後押しする。
 県内は新築着工件数が減る一方で、山には伐採期の木が豊富にある。従来のツーバイフォーはほぼ外材。新工法の地場工務店が増えれば、県産材の消費拡大が期待できる。両者は将来的に県外や国外へのパネル出荷も想定する。
 国は、標準的な新築住宅を2020年までに高気密・高断熱性能にする新基準を定めている。県によると、現場施工が基本の在来工法がメインで、技術者も限られる地場工務店では対応が難しくなるという。
 1棟目を設計・施工した日本ハウジング(大分市)の馬場鉄心社長は「構造部分は統一された規格で工場生産し、内外装や将来のリフォームは現場が消費者ニーズに沿って柔軟に対応できる」としている。

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