大和ハウス工業/ロボットスーツ導入検証へ/腰負担軽減へ試行7現場

 大和ハウス工業は、現場作業員の負担軽減に向け、ロボットスーツの導入検証に乗り出す。サイバーダイン社(本社・茨城県つくば市)が販売する現場作業向け製品の効果をグループの建設工事や工場など7現場で確認し、2016年5月から本格的に運用する方針だ。墨出しや配筋など腰部に負担のかかる作業を軽減することで、作業員に快適で魅力のある職場を提供する。
 サイバーダイン製のロボットスーツ『HAL』は、装着者の皮膚表面から生体電位信号を読み取り、作業員の動作をアシストする。建設現場では人手不足に加え、作業員の高齢化が深刻化しており、腰部にかかる作業負担を軽減する腰タイプ製品を取り入れ、その効果を検証する。
 腰タイプは重量3㎏。動作時間は約180分。墨出しや配筋作業に加え、型枠の組立作業などでも活用できると考えている。あえて作業時に危険を察知できるように、機械の補助率を40%とし、作業員がある程度の重さを感じる設定で運用する。導入するのは大和ハウス工業大和小田急建設、フジタ、大和リースの7現場に10台。建設現場に加え、プレキャストコンクリート部材工場など製造現場でも効果を探る。
 06年にサイバーダイン社に出資し、介護分野を中心にロボット技術による作業軽減の取り組みを推進してきた大和ハウス工業にとって、建設現場でのロボットスーツ検証は今回が初めて。中岡一郎理事技術本部技術部長は「安全、快適、やり甲斐を感じてもらい、最終的に作業員の現場定着にも貢献したい」と強調する。1年間かけて実証データを収集しながらロボットスーツに有効な作業を特定し、本格運用につなげる計画だ。
 サイバーダイン製のロボットスーツは、既に大林組が現場導入の実証実験をスタートしており、現場作業員の負担軽減に向けたツールとして注目されている。

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