21年度完成へ本格着手/地下50mにシールド/名古屋中央雨水調整池

 名古屋市上下水道局は、名古屋駅東側に位置する「名古屋中央雨水調整池」の建設工事に本格着手する。内径約6m、長さ約5㎞のシールド工法による円筒形貯水池で、深さは約50m。2021年度までの完成を目指す。発進立坑は森組・吉田組・トーエネックJVが担当する。集めた雨水は、露橋地域に新設する広川ポンプ所で中川運河に流下する。日本下水道事業団(JS)と同ポンプ所の設計・監理業務に関する協定を結んでおり、現在は鈴中工業の施工で建設予定地を造成している。
 貯水池は、東海旅客鉄道JR東海)が建設するリニア中央新幹線名古屋駅に交差する地区に整備する。リニアより深い地下約50mに建設するため、同駅の形状決定に伴い関係者との調整を本格化した。貯留量は約10万m3。中川運河上流地域約560haと、露橋地域約70haの雨水を対象とする。詳細設計は日建技術コンサルタントに委託し、具体的な線形などを検討している。
 シールド発進基地は西区天神山町の押切公園内に設置する。ニューマチックケーソン工法により深さ約57.4mの立坑(内径15m×9m)を掘る。シールド外径は7000mm。工期は900日で、17年夏には完成する予定。シールド工事は16年度に発注する見通しだ。
 ポンプ所は中川区広川町の敷地2300㎡に建設する。排水能力は毎秒12.9m3。深さが約60mに達するため、市は大深度地下のノウハウがあるJSと協定を締結。工事発注や設計・監理業務などを委託する。
 工事の全体進捗は市が管理し、案件ごとに協定を結び、JSが発注する。造成の工期は11月13日まで。次いで、本体工事として深度60mまで掘削する見通し。現時点では、掘削工の発注時期は非公表。JSが発注した実施設計は日本下水道設計が担当している。

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